本州最西端に位置し、三方を海に囲まれ自然美にあふれた山口県。
今日はどこを旅してみようかな♪
平家の泉伝説
八百年の昔、下関の壇ノ浦で源氏に敗れた平家の落人は各地に四散し、その中には平家一門の万寿姫もいた。姫はわずかな郎党に守られながら仁保川を遡り、上げ山の里を過ぎて小径にさしかかると行く手に巨大な岩が見えた。
岩の傍らには湧水が出ており、万寿姫や郎党はこの湧水を飲むと激しかった戦いの悪夢も徐々に醒めて穏やかな気持ちを取り戻した。ほどなくして岩に坐した万寿姫は笛をとりだし静かに吹き始めると、笛の音は静寂な谷間へ吸い込まれるように消えていった。
この湧水で喉を潤した一行は休息の後、徳地白井の里へと旅立って行ったと言われています
県道123号線沿いにあったので、すぐに見つけることができた平家の泉。平家の泉伝説なんかもあるようだ。
説明板によれば、ここは取水口で、平家の泉や平家岩はこの先を500m歩いた先だ。平家の泉取水口から平家岩へと延びる一本の道。ここから先は歩いてのアクセスとなる。
車が通れそうな雰囲気ではあるけど、強引に行っても必ず後悔することになる。のんびり新緑を楽しみながら歩いて行こう。さて、もう一つの伝説でもある平家岩はどこじゃろ?
辺りを見回すと平家の泉から少し離れた高い場所に大きな岩があった。ここにも説明板があり、「万寿姫と平家岩伝説」と書かれていた。
万寿姫と平家岩伝説
今を去る八百年の昔、下関の壇ノ浦で源氏に敗れた平家の落人は各地へ四散していった。そうした中に平家一門の姫君もいた。名を万寿といい、わずかな郎党に守られながら仁保川沿いを遡のぼり、上げ山の里へ辿り着いたのである。
しかしこの地は既に源氏ゆかりの平子氏の領域にあった。そこで万寿姫は、新たな安住の地を求め、此処から徳地に入る野谷峠を越えようと一行は重い足を引きながら急いだ。
途中にある川(現上げ山川)を渡り、小径にさしかかると行く手に巨大な岩が見えていた。
万寿姫は郎党たちに「しばしあの岩の上で休んで行きましょうぞ」と言い、
岩に近づくと臆することなく岩の上に坐した。
姫や郎党たちが坐している岩の傍には谷間があって、その谷合を流れる水が静かな音をたてていた。姫は早速郎党にいいつけて湧き水を汲んでこさせた。そうして姫も郎党たちもその水を飲み交わしながら喉を潤おすと、激しかった戦場での悪夢も徐々に醒めていつしか穏やかな気持ちを取り戻し、数々の思いを一つ一つ噛み占めていた。
そうした中で、姫はやおら懐に隠し持っていた笛をとりだすと静かに吹き始めた。
姫が吹き続ける笛の音は、条々として暗く静寂な谷間へ吸い込まれるように消えていった。それは、平家滅亡哀歓の調べであったのか、はた又万寿姫自身の悲運を奏でる音色であったのであろうか。一時を岩の上で過ごした姫と郎党の一行は不安を抱きながら峠に向かい、やがて八百年もの安住となった徳地の白井の里へ旅立って行ったのである。
因みに姫や郎党たちが憩った岩は、後に万寿姫の思いを伝承するため平家岩と名付けられた。又、岩の周辺にある小さな棚田と山林も地名が平家岩となり現在に至っている。それではご覧いただこう、これが平家岩だ!
俺には見える!!それでは、美しい万寿姫の横に座らせてもらうとしよう。そうか、姫の目から見た風景はこんな感じか。あいにく自分は笛を持ち合わせていないが、ここは万寿姫の奏でる笛の音色を聴こうではないか。
あ~、なんだろうこの懐かしい音色は。どこか聴いたことがあるぞ。そう、この懐かしい音色は……屋台ラーメン屋のチャルメラ曲だ(゚ロ゚;)エェッ!?
(どうやらお腹が空いたので幻聴が聴こえたようだ)
妄想はここらへんまでにしておくとして、写真でお分かりのように、草のおかげで足元がまったく見えない。泉までは道がはっきり分かるけどね。しかも少し高い位置にあるので、どこから上るかしばらくその場で悩んでしまった。
草が刈られていれば大した段差ではないのだけど、足元が見えないのではうかつに踏み出せもしない。まあ、ここまで来たのだから諦めずにゆっくり足元を踏みしめながら進んだけどね。しかし足元が見えないということは、ヘビなどが潜んでいても分からないということなので、岩へと進むのであれば、刈られた後か枯れた冬時季にした方がいいと思うぞ。
ちなみに隣接には、春夏秋冬を彩る四季の森があるようだけど、確認まではしていない。
さて、万寿姫御一行も峠へと向かって行ったし(←まだ妄想中)、俺も帰るとしよう。